2022開成への道

国語偏差値25帰国子女の中学受験挑戦記

SAPIX5年生 国語52-07

国語Aテーマ コトノハ「祖父母の家で」 東京の下町に住む祖父母の家に遊びに行った時の話で 「勝手口」「御用聞き」「縁側」「器量良し」などの語彙を学習

核家族でマンション生活を送る現代の小学生には馴染みのない言葉ばかりなのだろう。 仕方ないとはいえ「この言葉、知らなかったの?!」の連発にジェネレーションギャップを感じてしまった。

読解メソッド 多湖輝「しつけの知恵-手遅れにならないための100の必須講座-」より 母親が子供に対して「痛かったでしょう」「頭が痛いんじゃない?」という問いかけをすることは 子供の甘えを生みだす一因となっている。 親は子供に「痛い」という答えを強制してしまうところがあるし、 子供は我慢するつもりであっても親にかわいがってもらうために「痛い」と言いかねない。

日本の親は建前としては子供を厳しく躾けたいと言う一方で 本音では子供に甘えてもらいたいと思っている。 そういった心理の働く典型的な言い方の例で、 質問の仕方によって答えを左右できる一種の誘導尋問と言える。 親は言葉使いに気を付けて子供の安易な甘えを封じ込めるべきだ。

という内容。

極度に打たれ弱い長男は些細な擦り傷程度でも異常に痛みを訴えるが 夫と私は多くの場合、まともに取り合わない。 筆者の主張と自身の日常とが違いすぎて混乱したのだろうか、設問はほぼ全滅。

読解演習 木村英樹「ソーラーカーで未来を走る-太陽光がつくる自然エネルギーについて考えよう-」より 世界の人口増加に伴い多くの国々が石油などのエネルギー資源を必要としているが その埋蔵量と取れる地域は限られている。 エネルギー資源の問題は世界の戦争と平和の問題にも深く関与している。

また石油や天然ガスを燃やすと二酸化炭素が発生し、地球の温暖化という問題が発生する。 二酸化炭素を出さない発電方法としては原子力発電があるが放射能汚染の危険性があるため 東日本大震災以降はなるべく頼らないようにすることが求められている。 そこで再生可能な風力や太陽光などの自然エネルギーが大いに期待されている。

ところが自然エネルギーは変換効率が低い上に天候に左右されるため 石油などと同じように沢山使う訳にはいかない。 少ないエネルギーを無駄なく使ったり、発電できない時のために電気を溜めておく技術が必要となってくる。

という文章。

これに関しては興味のある内容なのでほぼ完璧。 「好き・関心がある」話題と「嫌い・興味ない」話題との温度差が激しすぎる。

国語Bテーマ 物語文 庄野英二「水の上のカンポン」より インド洋の海の上にあるカンポン(ジャワの言葉で「村」という意味)にオダイという若者が住んでいた。 そこから500mほど離れた海の上には鶴のカンポンがあった。浅瀬になっていて魚が集まる場所だ。

カンポンの人々は漁をして生計を立て、皆仲良く暮らしていた。 海の上の生活では魚を捕るのには便利だが飲み水には不自由する。 片道3時間かけて船を漕ぎ、市場のある丘まで捕った魚を売りに行って 帰りに壺に水を汲んだり米などを買う必要がある。 それでも人々は誰も自分たちが不幸だと思っていなかった。 貧しいながらも美しい自然に囲まれた生活に満足していた。

ある日、オダイは見事なサヨリを釣ったので市場に行って商人に売った。 サヨリは暴れた拍子に口からエメラルド色の美しい玉を吐き出した。 商人はサヨリは買い取ったが玉はオダイの物だ、と言うが オダイは売った後に出てきたのだから商人の物だと言って、お互い譲らない。 結局商人が玉を受け取ることになり、 オダイは代わりに大きな水がめを貰うことにした。 これがあれば水汲みが楽になる。張り切って重い船を漕いで家路についた。

水がめの重さがあるせいで潮に流されて、いつもは避けている鶴の群れの近くを通ることになった。 そこで船が水中の岩に衝突して水がめを落としてしまった。 浅瀬なので船を降りて拾おうとしたが水がめの底は割れていて尖った岩が頭をのぞかせていた。 オダイはひとしきり泣き続けていたが、夕映え雲の美しさに感動して泣き止んだ。

突然、オダイは水面が揺れ出していることに気付いた。 割れた水がめの底の辺りから海水が噴き出していたのだ。 オダイが飲んでみると、それはなんと清水だった。

こうしてカンポンの人々はこれまで一日がかりで水汲みをしていたのが わずか500mの所で水を得られるようになった。 この清水の近くに引っ越そうという意見も出たが、 今までの不自由を思えばこれ以上の贅沢を言ってはならないというのと もともとここの水を使っていた鶴に迷惑をかけては申し訳ない、ということで引っ越しはしないことにした。

水汲みの苦労から解放された人々はよりのんびりと暮らすようになった。

という物語。

自然と人間との共生、必要以上の贅沢を求めない質素な暮らし、自然に対する感謝の気持ち、等々 感じ取ってほしいことは沢山あるのだが… 社会科で環境問題について学習をしている時の様子を見ていても感じたことだが 「世界のどこかで起きている(でも自分には関係ない)できごと」と勘違いしている節がある。 長男は読解力だけでなく想像力も大いに欠落している。

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