1月31日、試験前夜
不安を数えればキリがない。
あれもこれもそれも、と焦る気持ちと
今さら私がじたばたしても、という諦観。
長男はSS特訓のテキストを中心に
淡々と見直しをしている。
これまで「捨て問」としていた難問も
じっくり解答解説を読み込んで、理解しようと努力していた。
自分なりに穴を埋めようと最後の苦闘をしていたのだろう。
夕方、SAPIXの先生から激励のお電話をいただく。
明るく力強い声で、ハキハキと話す長男には
もはや受験勉強を始めた頃の面影はない。
ああ、ずいぶん大きく成長したな…と感慨に浸る。
自宅から開成までは電車で一時間強、
2月1日の朝に自宅を出ても十分間に合うのだが
念のため近くのホテルに前泊する。
部屋に入ってからも参考書にかじりついていたが
早めに寝て体調を整えるのも受験勉強のうち。
万全を期して試験に挑めるよう、23時前に消灯する。
内心の荒波を必死に抑えつつ、試験前日を静かに終える。