2022開成への道

国語偏差値25帰国子女の中学受験挑戦記

SAPIX4年生 国語No.22

国語Aテーマ コトノハ「十五夜 十五夜、童謡「うさぎ」、中秋の名月、など秋の言葉を学習。

長男は幼稚園年中から小学2年生までをアメリカで過ごしたため 日本の季節の行事、昔話、童謡などをほとんど知らない。 ”こんなことも知らなかったのか”と愕然とすることが多い。 今更ながら少しずつ教える。

問三 「〇〇〇に当てはまる言葉をひらがなで書け」という問題だったが カタカナで解答。 問題文の指示を読め!

読解メソッド

主人公の姉の作文が全国コンクールで最優秀賞となった。 勉強があまり得意でない主人公は いつも優秀な姉と比較されてつらい思いをしてきたが その日は算数のテストで80点を取った。

家に帰ると母は得意げな様子で仲間の誰かと長電話中だった。 主人公のことはほとんど眼中にないようで寂しく感じる。

その日の夜は祖母も加わってお祝いになるとのこと。 ポケットの中のテストを触りながら これを見せたら母は何て言って褒めてくれるだろうか、と空想する。

という物語。

いつも姉ばかり褒められているので 姉の受賞を素直に喜べない、 今回は自分のことも認めてほしい、と思う主人公。 それぞれの立場と感情の動きを丁寧に追っていけば さほど難しい問題ではない。

読解演習 母親に素直になれず「ごめんなさい」と言えない主人公。 自分が悪いとわかっていても、つい反抗的な態度をとってしまう。 母は自分より3歳年下の妹のほうを大事にしていると感じている。

後日、妹とケンカした際に「おねえちゃんなんだから許してあげなさい」と言われて 気持ちを抑えきれなくなって「私なんか、どうでもいいんでしょっ」と言い放つ。 さみしそうな顔で黙り込んだ母を見ていられなくなって家を飛び出した。

母は自分の気持ちをちっともわかってくれない、 さみしい、悲しい、悔しい、みじめな気持ちで あてどなく歩いているうちに日が暮れかけてきた。 いつの間にか母の顔ばかり思い浮かべていたことに気付く。

早く家に帰って母に会いたい。 そして今度こそちゃんと「ごめんなさい」と言おう。

という物語。

読解メソッドが妹の目線なのに対し、 読解演習は姉の目線で描かれた物語。 当然ながら、長男にとっては読解演習の姉の気持ちの方に共感。

国語Bテーマ 物語文「スタートライン」 小学5年生の主人公は短距離走が大の苦手で運動会が憂鬱でたまらない。 本番前日の総練習で「練習だから気を抜こう」と言っていた親友は いざ走り始めると全速力で快走。裏切られた気持ちになる。 幼馴染のヤジも恥ずかしい。 「本番は実力出してね」という親友の言葉はいやみに感じる。

親友と学校から帰る途中、幼馴染に呼び止められる。 「勝ちたくないのか」と言われてプライドが傷つく。 イメージトレーニングをしたところで無理なものは無理だ。

親友と幼馴染はリレーの選手に選ばれている。 みんなの期待を背負っているだけに 絶対に一位にならなければ、と意気込みを見せる。 別れ際に「あなたは気楽でいいね」と言われた。 これはいくら親友でも許せない。 本番で勝って走るのが遅い人の苦痛を思い知らせてやりたい。

そして迎えた運動会当日。 祖母のおまじないも効果が無く、いつも通りのビリから2番目。 親友には勝てなかった。

リレーが始まり、親友が走り始めた。

優勝が目前となったその時、親友がバトンを落とした。 慌てて拾いに行く親友の様子を見て主人公は 「気楽でいい」なんて言ったバチがあたった、いい気味だ、と 意地悪なときめきを感じる。

やっとコースに戻り最終走者の幼馴染にバトンを渡したときは 既にビリになっていたが一人抜いてゴールした。 親友が戻ってきたときには泣いたらしく 目と鼻が赤くなっていた。

「バトンを落とさなきゃ優勝だったのに」と誰かが言うと 親友は涙を流し始めた。 「がんばったんだけど、勘弁して」と幼馴染が謝る。 学級委員長は「一生けん命やった結果だから健闘をたたえよう」とまとめる。 親友もまた、大きなプレッシャーで苦しんでいた、と気付き拍手を送る。

という物語。 人それぞれ得意不得意がある。 走るのが苦手な主人公は、俊足の親友に劣等感や妬みを感じてしまう。 親友も決して自慢をしているわけではないのだろう。 みんなの期待を背負うという重圧や緊張には また別の苦しさがある。 「自分はどう思うか」視点から「相手はどう思うだろう」への転換、 想像力が求められる。